【総合型選抜解説】慶應義塾大学法学部のFIT入試|倍率・日程・選考内容を5分でチェック

慶應義塾大学法学部は、総合型選抜として「FIT入試」を行っています。学科試験は課さず、書類審査の第1次選考と、論述や面接などの第2次選考で選びます。評定の条件がないA方式と、評定4.0以上が条件のB方式があり、同じ学科なら両方に出願できます。
この記事でわかること
- FIT入試の合格のツボ
- 出願資格・日程・選考内容(2027年度)とスケジュールの図
- FIT入試に向いている人
- 最新の倍率と、直近3年の出題傾向
- A方式・B方式それぞれの対策のポイント
目次
2028年度入試からの変更点
2028年度入試(2028年4月入学)からは、A方式とB方式が統合され、「新FIT入試(仮称)」になります。出願要件は全体の評定3.7以上と、外国語学習を含む活動への積極的な取り組みです。第2次選考は、模擬講義・論述試験、総合考査、口頭試問の3つになります。
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合格のツボ
① 志望理由書は「なぜ慶應法か」と「将来にどう意味をもつか」の両方に答える
志望理由書は両方式共通で、800字以内・手書きです。問われるのは、なぜ慶應義塾大学法学部で法律学・政治学を学ぶのかと、その学びが自分の将来にどんな意味をもつかの2点です。最終合否には第1次選考の評価も加わるため、書類は最後まで効くと考えて仕上げましょう。
② 第2次選考は「その場で考えて表現する力」が問われる
A方式は50分の講義を聞いたあと、45分で2,240字以内の論述を書きます。口頭試問は約15分で、法律学科・政治学科それぞれのテーマについて教員と質疑応答をします。B方式は400字程度の総合考査を2題と、約10分の面接です。どちらも暗記では対応できず、初めて見る問題に、理由を添えて自分の考えを示す練習が欠かせません。
③ 「一芸」ではなく、学力と活動の両方が見られる
募集要項は、FIT入試を「一芸入試」ではないと明記しています。主体性・社会性・想像力・コミュニケーション能力などを評価しつつ、しっかり勉強してきたことも前提です。B方式の条件を満たす人は、同じ学科でA方式と両方に出願することも検討しましょう。
入試概要(2027年度入試)
| 項目 | A方式 | B方式 |
|---|---|---|
| 募集人員 | 各学科、A方式・B方式あわせて最大80名 | |
| 主な出願資格 | 慶應法学部が第一志望 (合格したら入学を確約) 活動での優れた実績 | 慶應法学部が第一志望 (合格したら入学を確約) 評定が各4.0以上 (指定5教科と全体) |
| 卒業年の条件 | 既卒も出願可 | 既卒も出願可 (調査書が必要) |
| 主な提出書類 | 志望理由書 (800字・手書き) 志願者調書 自己推薦書 調査書等 | 志望理由書 (800字・手書き) 志願者調書 評価書 調査書 |
| 出願登録 | 2026年8月3日〜9月3日 | |
| 書類の郵送 | 2026年9月1日〜9月3日 (消印有効) | |
| 第1次選考 | 書類審査(提出書類を総合的に審査) | |
| 第1次選考 合格発表 | 2026年9月15日(火)10:00 インターネット | |
| 第2次選考 | 2026年9月19日(土) 三田キャンパス 模擬講義(50分) 論述試験(45分) 口頭試問(約15分) | 2026年9月20日(日) 三田キャンパス 総合考査Ⅰ(45分) 総合考査Ⅱ(45分) 面接(約10分) |
| 最終合格発表 | 2026年11月2日(月)10:00 インターネット | |
| 入学手続 | 2026年11月27日〜12月11日 | |
| 入学検定料 | 35,000円 (A・B方式を両方出すときは70,000円) | |
| 倍率 (2026年度) | 法律学科 約5.8倍 政治学科 約5.5倍 | 法律学科 約4.3倍 政治学科 約4.3倍 |
法律学科と政治学科を両方受けることはできません。日程や条件の詳細は、2027年度の募集要項(PDF)で確認してください。
入試スケジュール
FIT入試のスケジュール(2027年度入試)
- 8月3日〜9月3日出願登録
- 9月15日1次合格発表
- 9月19日・20日2次選考
- 11月2日最終合格発表
- 11月27日〜12月11日入学手続
2次選考はA方式が9月19日(土)、B方式が9月20日(日)。出願書類の郵送は9月1日〜3日(消印有効)。出典:2027年度 FIT入試 募集要項
入試の特色
FITは、Flexible and Intelligent Thinking の頭文字であり、「教えたい」教員と「学びたい」学生の良好な相性(fit)も意味します。2006年度に始まり、2012年度からB方式が加わりました。
B方式には地域ブロック制があります。全国を7つのブロックに分け、各ブロックから学科ごとに最大10名程度を合格者とします。さらに、南関東以外のブロックの成績優秀者には、学部独自の特別奨学金(年額30万円・最大4年間)があります(奨学金の案内)。
FIT入試はこんな人に向いている
募集要項の出願資格と、大学が示す「FIT入試に期待する」学生像をもとに、FITAがまとめました。
慶應義塾大学法学部が第一志望と決まっている人
FIT入試は、合格したら入学を確約できる人が対象です。慶應法で学びたい理由がはっきりしている人ほど、志望理由書と面接で強みを出せます。
法律や政治について、自分の経験から考えたい問いがある人
大学は、主体性・社会性・想像力・コミュニケーション能力などを評価するとしています。学校や地域での経験から生まれた疑問を、法律学・政治学の問いにつなげられる人に向いています。
書く・話すで考えを伝える力を伸ばしたい人
第2次選考では、講義をもとに2,240字以内で論じる論述や、法・政治のテーマで教員と質疑応答をする口頭試問が課されます。その場で考え、筋道を立てて伝える力が問われます。
評定に自信がない人・地方に住んでいる人
A方式には評定の条件がないため、成績だけで判断されない入試です。評定4.0以上の条件を満たす人はB方式も受けられ、地域ブロック制では南関東以外の成績優秀者に特別奨学金もあります。
最新の倍率(2026年度入試)
大学が公表している2026年度の選考結果(PDF)は次のとおりです。A方式は第1次選考(書類)で出願者の3分の1以下に絞られるのが特徴です。
| 学科・方式 | 出願者 | 第1次合格 | 最終合格 | 倍率の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 法律学科 A方式 | 306名 | 94名 | 53名 | 約5.8倍 |
| 法律学科 B方式 | 197名 | 118名 | 46名 | 約4.3倍 |
| 政治学科 A方式 | 306名 | 98名 | 56名 | 約5.5倍 |
| 政治学科 B方式 | 199名 | 118名 | 46名 | 約4.3倍 |
倍率の目安は出願者数÷最終合格者数でFITAが計算したものです。合格者数には、A方式・B方式の両方に合格した人も含まれます。
入試傾向
大学は毎年、第2次選考の内容を「過去の選考概要」として公開しています。直近3年の内容を、FITAで要約しました。
A方式:模擬講義・論述試験
| 年度 | 講義のテーマ | 論述で問われたこと |
|---|---|---|
| 2026 | 北朝鮮をどう読み解くか | 講義のように多角的な調査で実態を明らかにできる社会的課題を挙げ、調査方法の利点と課題を説明する |
| 2025 | ジェリマンダーから考える民主主義の危うさ | ジェリマンダーと同じような解決の難しさをもつ社会的課題を挙げ、共通点を説明する |
| 2024 | 陰謀論と現代政治 | 陰謀論がなぜ重要なテーマか、どう向き合うべきかを論じる |
直近2年は、講義の考え方を、別の社会的課題に当てはめて説明する問題が続いています。講義の要点を正確にまとめる力に加え、自分で具体例を出せる知識の幅が必要です。
A方式:口頭試問
| 年度 | 法律学科 | 政治学科 |
|---|---|---|
| 2026 | 死刑確定から執行までの長期化で生じる問題と、廃止以外の解決策 | SNSの特性を踏まえ、民主主義に与える影響 |
| 2025 | 司法・裁判制度へのAI導入に賛成か反対か | AIが政治を補完・代替できるか |
| 2024 | 民事裁判の弁護士費用を敗訴者に負担させる制度の是非 | 高齢ドライバーの運転免許の強制返納制度の是非 |
制度のメリットとリスクを比べたうえで、自分の立場を示すテーマが中心です。2027年度からは、開始前の自己紹介がなくなりました。
B方式:総合考査
| 年度 | 総合考査Ⅰ(資料の読み取り) | 総合考査Ⅱ(小論文) |
|---|---|---|
| 2026 | 都道府県の人口・高齢化の統計 | 民主主義の衰退を論じた英語圏の著作の一節を読み、自分の考えを論じる |
| 2025 | 日本の男女格差に関する国際比較データ | 永住資格をもつ外国人の知人が公的扶助を受けることをどう考えるか |
| 2024 | 各国世論のプーチン氏への信頼感の推移 | 県知事として、県立大学への進学者を増やす政策を考える |
総合考査Ⅰはグラフや統計から読み取れることを400字程度でまとめる問題、Ⅱは政治・社会の課題について立場を決めて論じる問題です。
対策のポイント
FIT入試(2027年度)の準備チェック
- 志望理由書の下書きが高3の1学期中にできている
調査書は2026年6月1日以降に作成されたものが必要です。学校への依頼も早めに。 - 活動の証明書類をそろえている(A方式)
検定の合格証や表彰状などは、自己推薦書の別添資料として提出できます。 - 講義を聞いて要約し、別の課題に応用して書く練習をしている(A方式)
2,240字を45分で書く量にも慣れておきましょう。 - 法・政治の時事テーマで、賛否と理由を話す練習をしている(A方式)
結論→理由→具体例の順で、追加の質問にも答えられるように。 - 統計の読み取りと400字の小論文を練習している(B方式)
読み取れる事実と、自分の解釈を分けて書きます。
FIT入試のよくある質問
評定はどのくらい必要ですか?
A方式には評定の条件がありません。B方式は、指定5教科(外国語・数学・国語・地理歴史・公民)と全体の評定が、それぞれ4.0以上であることが出願の条件です。
英語資格は必須ですか?
必須ではありません。A方式の出願資格の例の1つに「日本語以外のさまざまな外国語の学習に熱心に取り組み、かつその成果を検定試験などで証明できる者」があり、資格は活動を証明する手段として使えます。
ほかの大学と併願できますか?
FIT入試は、合格したら入学することを確約できる人が対象です。合格後に他大学へ進むことはできないので、ほかの総合型選抜の結果が出る時期と、FITの最終合格発表(11月2日)の前後関係を確認しておきましょう。同じ学科ならA方式とB方式の併願はできます。
浪人生でも受けられますか?
A方式・B方式とも、高校を卒業した人も出願できます。B方式は高校の調査書と、卒業した高校に現在在籍している先生による評価書が必要です。
FITAでできる対策
FITAは、慶應義塾大学法学部のFIT入試に特化した専門塾です。講師は全員FIT入試の合格者で、志望理由書などの書類から、論述・口頭試問・面接の練習まで1対1で担当します。授業はすべてZoomで、全国から受講できます。
「A方式とB方式、どちらに出すべき?」「何から始めればいい?」という段階からでも大丈夫です。無料相談で、今の状況に合った準備の順番を一緒に整理しましょう。
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