FIT入試の対策はいつから?高1・高2からの準備ロードマップ

FIT入試の対策はいつから?

「FIT入試の対策は、いつから始めればいいの?」――慶應義塾大学法学部を目指す高校1・2年生から、いちばん多く聞かれる質問です。

答えは、高1からでも始められ、早く始めるほど選択肢が広がるです。2028年度入試からの新しいFIT入試では、高校の全期間の成績と、外国語学習を含む活動への取り組みが出願の要件になるため、準備の土台は日々の学校生活の中にあります。とはいえ、高1から受験一色にする必要はありません。この記事では、学年ごとに「今やること」と「今はやらなくていいこと」を分けて整理します。

この記事でわかること

  • 自分が新制度・旧制度のどちらで受けるかの確かめ方
  • 高1から出願までの準備ロードマップ
  • 高1・高2・出願前それぞれで優先したいこと
  • 毎週の振り返りに使えるチェックリスト
目次
  1. まず、入学年度から対象の制度を確認する
    1. 新制度で、早めの準備が効く3つの理由
  2. 高1から出願までの準備ロードマップ
  3. 高1で整えたい:関心と学習習慣
    1. 評定を安定させる
    2. 気になったことをメモする
    3. 外国語学習を続ける
  4. 高2で深めたい:調査と活動
    1. 関心を問いにして調べる
    2. 活動の記録と証明を残す
    3. 第2次選考の基礎練習を始める
  5. 出願までに整える:書類と試験対策
    1. 書類の準備で気をつけたいこと
  6. 週に1回の振り返りチェック
  7. FIT入試の準備時期についてのよくある質問
  8. まとめ:高1は土台、高2は問いと活動、高3で形にする
  9. 出典・参考資料

まず、入学年度から対象の制度を確認する

準備を始める前に確かめたいのが、自分がどの制度で受けるかです。慶應義塾大学法学部は、2025年12月23日付の変更通知(PDF)で、FIT入試のA方式とB方式を統合し、2028年度入試(2028年4月入学)から「新FIT入試(仮称)」として行うと発表しました。どちらの制度になるかは、学年ではなく入学する年で決まります。

2026年度の学年入学する年受ける制度
高校3年生2027年4月現行のA方式・B方式
高校2年生2028年4月新FIT入試(最初の年)
高校1年生2029年4月新FIT入試

インターネット上の体験談や対策記事には、旧制度(A方式・B方式)の話も多く残っています。読むときは、何年度の入試の話かを必ず確かめてください。

新制度で、早めの準備が効く3つの理由

変更通知に書かれた新FIT入試の要件を、準備の時期という目で見ると、次の3点が高1・高2のうちから関わってきます。

  • 成績は高校の全期間が対象:高等学校等の全期間の成績を記載した調査書で、全体の学習成績の状況が3.7以上であることが出願の要件です。高1の成績から含まれます。
  • 活動は証明する書類で審査:外国語学習を含むさまざまな活動に積極的に取り組んだことが要件で、第1次選考はそれを証明する書類で行われます。
  • 第2次選考は3つの試験:模擬講義および論述試験、総合考査、口頭試問の3つで選考されます。旧制度のように、どちらか一方の方式に絞った対策はできません。

注意

新FIT入試は、法律学科・政治学科を第1志望とする人物を選考する入試だと説明されています。提出書類の種類、試験の形式や日程などの詳細は、2027年6月上旬頃に公開予定の募集要項で確かめてください。

変更点を旧制度と比べて詳しく知りたい人は、こちらで整理しています。何がまだ決まっていないのかも確かめられます。

あわせて読みたいFIT入試の基礎2028年度FIT入試はどう変わる?新制度の変更点と今からの準備2028年度入試から、慶應法学部のFIT入試はA方式・B方式が統合されます。評定3.7以上などの出願要件、第2次選考の3つの試験、地域ブロッ…記事を読む

高1から出願までの準備ロードマップ

全体の流れを先に見ておきましょう。高1・高2は「土台づくり」、高3は「形にする時期」と考えると、今の自分がやるべきことが見えてきます。

高1から出願まで

高1

成績と興味の土台をつくる

定期試験で評定を安定させながら、ニュースや授業で気になった社会の出来事をメモする習慣をつけます。外国語学習も、続けた記録が残る形で進めます。

ゴール:評定を下げない学習習慣と、関心のメモ。

高2

関心を「問い」にして、調べて動く

関心のある分野を1つ選び、本や資料で調べたり、学校の探究活動や校外の活動で実際に動いたりします。活動ごとに記録と証明を残します。

ゴール:説明できる問いと、それを裏づける活動の記録。

高3春

書類の材料をそろえる

活動の記録をもとに、志望理由の骨組みを作ります。証明書類や調査書を学校に頼む段取りも、このころから確かめます。

ゴール:志望理由書の下書き。

高3夏

出願と第2次選考の準備を並行する

書類を仕上げながら、模擬講義・論述、総合考査、口頭試問の練習を続けます。

ゴール:出願を終え、第2次選考に向けて練習を続けている状態。

この流れは、2027年度入試の日程と新制度の発表内容をもとにした目安です。新FIT入試の日程は、2027年6月上旬頃に公開予定の募集要項で確かめてください。

高1で整えたい:関心と学習習慣

高1でいちばん大切なのは、あとから取り戻しにくいものを、今のうちに積み上げておくことです。

評定を安定させる

新FIT入試では高校の全期間の成績が調査書に記載され、全体の学習成績の状況が3.7以上であることが出願の要件です。3.7は合格の目安ではなく、出願するための条件です。高1の成績もそのまま含まれるので、苦手科目を放置しないことが最初の準備になります。

気になったことをメモする

ニュースや授業で「なぜだろう」「おかしいな」と感じたことを、日付と一緒に1行で残します。法律や政治の言葉を使う必要はありません。半年分のメモを見返すと、自分が繰り返し気にしているテーマが見えてきます。

外国語学習を続ける

新FIT入試の出願要件には「外国語学習を含む」さまざまな活動と書かれています。特定の資格やスコアが必須だとは発表されていません。検定試験を受けるなら、結果だけでなく、何のために学んでいるのかも言葉にしておきましょう。

生徒:疑問のイラスト

生徒

高1から活動をたくさん増やしたほうがいいですか?

先生:説明のイラスト

先生

数を増やすより、続けられるものを選ぶほうが大切です。高1は成績と関心のメモを優先して、活動は「自分から始めたこと」を1つ続けられれば十分ですよ。

高2で深めたい:調査と活動

高2は、高1で集めた関心を「問い」に変えて、実際に調べたり動いたりする時期です。

関心を問いにして調べる

たとえば「SNSの誹謗中傷」に関心があるなら、「どこからが表現の自由で、どこからが違法になるのか」のように、答えが1つに決まらない問いにします。そのうえで、新聞記事、公的な資料、入門書を読み、わかったこと・わからないこと・自分の考えを分けて記録します。

活動の記録と証明を残す

新FIT入試の第1次選考は、活動を証明する書類を用いた書類審査です。どの書類を何点出すかは募集要項で示されますが、今のうちにできるのは、活動のたびに証明を残すことです。検定の合格証、大会やコンテストの記録、ボランティアの参加証明、探究の成果物などは、その都度保管しておきます。

第2次選考の基礎練習を始める

第2次選考の3つの試験は、いずれもA方式・B方式で使われてきた選考方法を基本的に踏襲すると説明されています。高2のうちから、次の練習を週に1回ずつでも続けておくと、高3で慌てずにすみます。

  • 講義を聞いて要約する(模擬講義・論述試験の基礎)
  • 表やグラフから言えることだけを書く(総合考査の基礎)
  • 結論・理由・具体例の順で話す(口頭試問の基礎)

それぞれの試験の現行の内容は、2027年度の募集要項(PDF)で確かめられます。

高2の冬から本格的に始める人は、出願までの8か月の進め方と、最初の1か月でやることをこちらにまとめています。

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出願までに整える:書類と試験対策

高3では、それまでの記録を書類の形にまとめます。新制度の日程はまだ公表されていませんが、参考として2027年度入試の日程を見ると、次のとおりです。

項目2027年度入試の日程
出願登録2026年8月3日~9月3日
出願書類の郵送2026年9月1日~9月3日
第1次選考
合格発表
2026年9月15日
第2次選考2026年9月19日・20日
第2次選考
合格発表
2026年11月2日

この日程では、第1次選考の合格発表から第2次選考までが1週間もありません。第2次選考の練習は、合格発表を待たずに、出願の準備と並行して進めておく必要があります。

書類の準備で気をつけたいこと

  • 調査書や証明書類は学校に依頼して発行してもらうものが多いので、必要なものと時期を早めに確かめる
  • 志望理由は、高1・高2のメモと活動の記録を材料にすると、自分の言葉で書きやすい
  • 下書きは何度も書き直す前提で、夏休みより前に一度形にしておく

出願書類や第2次選考の中身を、選考の流れに沿って確かめたい人はこちら。書類を作り始める前に読んでおくと、準備の順番が見えてきます。

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週に1回の振り返りチェック

準備は、一度に大きく進めるより、毎週少しずつ続けるほうが確実です。週末に5分だけ、次の項目を見直してみてください。

週に1回の振り返り

  • 今週の定期試験・小テストの結果を確かめた
    点数が下がった科目は、来週の勉強時間を少し増やします。
  • 気になったニュースや出来事を1つメモした
    日付と「なぜ気になったか」を1行で。
  • 活動の記録を残した
    やったこと、自分の役割、考えたことを短く書き、証明になるものは保管します。
  • 外国語学習を続けた
    何をどれだけやったかを記録します。
  • 要約・資料の読み取り・話す練習を1つやった
    高2以降は、3つのうち1つを週替わりで。

FIT入試の準備時期についてのよくある質問

高3から準備を始めても間に合いますか?

出願の要件である評定(高校の全期間の成績)は、高3から変えられる部分が限られます。一方で、書類の作成や第2次選考の練習は高3からでも進められます。まず評定と活動の状況を確かめ、足りない部分から優先順位をつけましょう。

部活が忙しくて、活動や対策の時間が取れません。

部活動も、積極的に取り組んだ活動の1つとして説明できます。役割や工夫したこと、そこから考えたことを記録しておきましょう。対策の時間は、週に1回の振り返りのように短い時間から始めれば十分です。

評定が3.7に届くか不安です。

新FIT入試では、高校の全期間の成績を記載した調査書で、全体の学習成績の状況が3.7以上であることが出願の要件です。成績の対象となる期間の扱いは募集要項で示されます。残りの定期試験を一つずつ積み上げることが、いちばん確実な対策です。

ほかの大学の、第1志望を条件とする入試と一緒に受けられますか?

新FIT入試は、法律学科・政治学科を第1志望とする人物を選考する入試と説明されています。第1志望であることを条件とする入試どうしでは、両方を同時に第一志望にすることはできません。詳しい条件は、2027年6月上旬頃に公開予定の募集要項で確かめてください。

まとめ:高1は土台、高2は問いと活動、高3で形にする

この記事のまとめ

  • 新旧どちらの制度で受けるかは、学年ではなく入学する年で決まる
  • 2026年度の高1・高2は、新FIT入試(2028年度〜)の対象
  • 高1は評定の安定と関心のメモ、高2は問いを調べて動き、記録と証明を残す
  • 高3は書類を形にしながら、第2次選考の練習を並行する
  • 新制度の詳細は、2027年6月上旬頃に公開予定の募集要項で確かめる

「いつから」と迷っている時間も、準備の一部にできます。今週の振り返りチェックから始めてみてください。自分の学年と今の状況で何を優先すればいいか迷ったら、FITAの無料相談で、FIT入試を突破した講師と準備の順番を一緒に整理できます。公式LINEでは、資料のお申し込みも受け付けています。

出典・参考資料

この記事を書いた人

慶應FIT専門塾 FITA

FITA編集局

慶應義塾大学法学部のFIT入試に特化した専門塾 FITAの編集チームです。募集要項など大学の公式資料をもとに、FIT入試を突破した講師の知見を交えて、出願書類や二次試験の対策、併願の考え方まで、受験生と保護者の方に役立つ情報をお届けしています。

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